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2012-07-13

映画 『少年は残酷な弓を射る』 感想

数週間前、突然思い立って観に行った映画について、ずっと感想を書きたかったのですが、まとまった時間が取れずのびのびになっていました。

夫の単身赴任に伴い、生活がかなり変わってしまい、土日も仕事と子どもの習い事の送り迎えで、観劇ができない状況に陥っております。。ただ、平日午前中に映画を観にいくことはできるじゃないの!・・・と気づいてすぐに、観にいったのが、この
作品です。

『少年は残酷な弓を射る』

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新聞のレヴュー記事が絶賛していたこの作品、私が最も興味をひかれたのが、「お腹を痛めて生んだ息子がモンスターだった母親の物語」という点。

思春期の息子を持つ多くの母親が感じるであろう、はがゆい感覚。

いったい息子が何を考えているのか、よくわからない。

まるで謎の生物が、息子のからだを乗っ取りでもしているかのようにさえ思えることも。

ときどき起きる少年による凶悪な犯罪。

いや、あれはひとごとではないように思います。

いつ自分の息子が狂気に走るか、わからない。

私も、中学男子の親として、「男子、わけわからん!!」と、よく心の中で叫んでいます。

自分の息子であっても、その中身がなんなのか、正直、見当がつかない・・・。ただのお子ちゃまなのか。モンスターなのか。娘に対しては、こんな気持ちにはならないのですが・・・。娘が不機嫌でも、その理由のおおよその見当はつきます。自分もたどってきた道なので。が、男子は無理。この不機嫌がなにが原因か、聞いても答えないし、全くの不明。

なので、この映画を観ることで、思春期男子の心の闇を垣間見ることができるのではないか、母親として思春期男子にどう
接すべきかなどのヒントがあるのでは・・・と期待しました。

また、生徒による学校での凶悪事件についても、どんな描き方なのか、それにもものすごく興味がありました。

そして観終わって・・・・。

大いにがっかりし、大いに感嘆しました。

まず、がっかりの部分。

結局、息子がモンスターになったのは、単に母親が手のかかる息子を愛せなかったから。私にはそんなふうにしか見えませんでした。もっと、息子が生まれもった邪悪な性質があったなどや精神異常があるといった設定なのかと思っていたのですが、何のことはない、母親に向いていなかった女性のもとで育った、気難しい息子の悲劇にしか見えませんでした。これについては、観た方の中でも議論があると思うのですが、私にはEvaが、気難しく発達に遅れのある息子に愛情が注げず、つい冷たい言動をしてしまい、その結果として、息子は逆に母親に執着するようになったように思えました。つまり、サイコものサスペンスではなく、単に育て方がうまくいかなかった母親の悲劇とでもいいましょうか。それでは、私もまずい状況ではないですか。私も母親業、向いていませんから。やめられるものならやめたいと思うこともしばしばですから。なんだ、結局、母親の育て方が悪かったから、息子がモンスターになり、大事件を起こしてしまったと言う、非常にありきたりの設定なんだ・・・とがっかりしたわけです。

もっとも、珍しかったのは、高校生による学校での殺傷事件の内容。銃の乱射ではなく、武器は矢。そして、多くの場合、
生徒による学校での殺傷事件の大きな原因はいわゆる「いじめ」です。が、この作品では、なぜKevinが、家族だけではなく
、学校の同級生たちをも殺そうとしたのか、全く示されていません。ハンサムで自信にあふれたように見えるKevinが学校でいじめられていたとは思えません。となると、結局は、母親への執着、母親の無償の愛を求めるが叶わぬことで、逆に母親を憎み、母親を苦しめたいと願っただけではないか・・・。

素晴らしかったのは、モンスターである息子に愛する娘も夫も奪われ、社会的な地位も経済的な豊かさも失った母親、Eva
を演じたティルダ・スウィントンの演技。静かだけれど決して燃え尽きない青い焔のような芯の強さを秘めた女性。彼女の苦
悩に満ちた表情、そして時には感情も消えたかのような無表情さに怖ろしさも感じましたが、美しくもありました。化粧っ気が
全くなくても、美しい。また,悲劇を起こす息子、Kevinを演じたエズラ・ミラーにも驚かされました。大きな存在感。これから伸びていく俳優さんですね。

とにかく、観終わって思ったのが、英国の女性作家ライオネル・シュライバーの原作を読んでみようということ。

映画では描ききれなかった部分がきっとあるはず。もしかしたら、育て方が悪かったので息子がモンスターになったという描き方ではないかも。 ”We Need To Talk To Kevin (「Kevinと話をしなきゃ」) ”、 注文しました。 到着が楽しみです。 
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に目覚め、やがてSPRING AWAKENING
に魂を奪われてから、すでに1年あまり。しかし、ごく最近、4年ぶりに東京にもどってきました! 久々の東京生活も実にスリリング♪

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