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2008-09-14

EQUUS その2  DANIELの挑戦と代償

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まず、簡単なあらすじを…。

アランは厳格な家庭で育った17歳の少年。小さいころから馬を愛し、厩舎でバイトをしていた。そんなアランがある夜、厩舎の6頭の馬の目をピックで突き刺すという事件が起きた。なぜ、アランはそんなことをしてしまったのか。精神科医、マーチンはアランの心の奥を探る。

なかなか心を開かないアラン。逆にアランのほうがマーチンの心の闇を暴き出す場面も。

だが、厩舎で知り合ったジルという年上の少女との関係を探られて動揺するアラン。やがて、真実があきらかになっていく…。


テレビも見せてもらえない、厳しい家。親から抑圧され続けてきた少年アラン。その苦悶、哀しみをDANIELは非常によく演じていました。よく鍛えた上半身も美しく、声もかわいらしい部分も残っていて、17歳のナイーブな少年の雰囲気にまさにぴったりでした。後ろを向いている時も、決して気をぬいていない…。アランが顔を後ろに向けて横になる場面が多かったのですが、あくびを何度かしているんです。横になってはいるが、すぐには寝付けないという状況で出るあくび、なんです。ちゃんと演技のひとつなんです。普通席からは見えないこの「あくび」も、オンステージ席からはよく見えました。

ただ、どうしても納得がいかなかったのは、2幕目、アランが年上の少女ジルと全裸になるシーン。もともと、出演者が裸になるシーンがあるお芝居、ミュージカルには抵抗がある私なんですが(じゃあ、SPRING AWAKENINGはどうなの?とつっこみが聞こえてくる気がしますが、SAのシーンは裸と言っても、ほとんど見えないし、気にならない。裸を見せるのが目的のシーンではないのです。しかし、EQUUSなど、ある作品では裸を見せたいシーン、裸を見せるのが必要になるシーンというものがあるのです。)、そうでなかったとしても、このEQUUSでの全裸シーンには衝撃を感じたのではないでしょうか? もし、MATTがこの役を演じたなら、それを観たら、私は泣いてしまうかもしれない、そう思ってしまいました。それを思うと、このEQUUSを観たハリーポッターファンの反応が心配になりました。それが、ひょっとしたらこのDANIELの挑戦の代償だったと言えるかもしれません。

でも、DANIELの全裸シーンがいやらしかったとか、気持ち悪かったというのではないのです。逆に、暗闇に浮かび上がる蒼白い照明の下の若い二人の身体はきれいでした。また、全体的にめりはりの少ないお芝居なので、ラストに向かう前に若いふたりの全裸シーンを持ってきて、ぐっと芝居を引き締める必要があったとも思います。けど、けど…ムムム。なんといえばいいのでしょう。アランが、興奮している状態でジルに近づいていく姿を見たとき(言わんとする意味、ご理解いただけますか???)、これは見てはいけないのではないか、見てはいけないものを見てしまったのではないか、とちょっと慌てふためいてしまったわけです。

男性ではないので、男性の生理の仕組みはわかりませんが、あれだけ大勢の観客の前で、ああいう状態で裸で歩けるというのは、DANIELが、これから初めて女性を経験しようとするアランそのものになっていたということなのだと思います。けれども、うーん、あそこまで見せてもらわなくても、演出などで十分、アランの感情などが伝わったと思うのです。このシーンを演じることで、DANIELは、ハリーポッターの呪縛から完全に解き放たれると思ったのでしょうか。裸にならなくても、その演技力でちゃんと評価されたと思うのですが…。

あと、残念だったのは、精神科医を演じるRICHARD GRIFFITHSの演技。あまりに普通のしゃべり方で、緊迫感が感じられなかったのです。このお芝居は、アランと精神科医マーチンの駆け引きというものが軸になって進んでいくはずなのですが、マーチンのしゃべりかたは、映画やテレビではいいと思うのですが、お芝居ではちょっと普通すぎました。声も、DANIELほど出ていませんでした。

けれど、このお芝居で1番圧巻だったのは、6頭のお馬さんたちです!

6人の役者さんが、針金の太いようなもので作られた馬の頭とひづめをつけ、茶色のズボン、茶色っぽいシャツ姿で、舞台に立つのですが、身のこなし、体の筋肉の美しさ、なめらかさ…。お馬さんにしか見えないのです!しかも、ただのお馬さんではありません! セクシーなお馬さんたちなのです。(でも、いやらしい感じではありません!) アランが感じる馬に対する畏敬の念、特別な感情…がわかる気がする…と思えるほど。6人のうち、ダンサーの方も何人かいらっしゃいますが、本当にお見事な演技でした。この、お馬さんたちを観るためだけに、もう一度観にきてもいいかと思えたほど。(でも、もうアランとジルの全裸シーンはいいです。)
お馬さんたちは、ずっと馬の頭をかぶっていたので、素顔がほとんど見れませんでした。でも、最後に挨拶されたときに出てきたお馬さんたち、皆さんハンサムでした!

昨日の記事の中の舞台の写真にあった4つのグレーの小さな柱(台)は、場面によってソファーになったり、イスになったり、ベッドになったりします。出演者が演技をしながらさりげなく、次のシーンのために柱をずらしたり、立てたり、横にしたり。面白い演出でした。

お馬さん、さすがタイトル(EQUUSはラテン語で馬という意味)だけあって、素晴らしい存在感でした!
☆☆☆☆(☆5個が最高)


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に魂を奪われてから、すでに1年あまり。しかし、ごく最近、4年ぶりに東京にもどってきました! 久々の東京生活も実にスリリング♪

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